---------------------------------- 第43回 -----------------------------------

演者:山本亘彦氏(大阪大学大学院生命機能研究科)

題目:遺伝的・活動依存的な神経回路形成の制御機構―視床皮質投射に着目して

日時:2010年7月20日(火) 14:30−18:00

場所:京都大学医学研究科A棟1階セミナー室 A103室

概要:神経回路の基本構築は遺伝的に規定されたプログラムによって形成されるが、細部の結合性は感覚由来または自発的な神経活動によって修飾されることが知られている。この先天的・後天的な神経回路の形成機構を解明するにあたり、視床から大脳皮質への投射系は極めて有用な系である。これまで私たちは、視床皮質軸索が皮質標的層で枝かわれを形成するためには、層特異的に発現する細胞外タンパク質が必須であること、またその枝分かれ形成には神経活動も重要な役割を果たしていることを明らかにしてきた。ここでは、これらの層特異性と神経活動依存性を担う分子基盤と生理学的基盤、ならびにそれらの相互作用、すなわち先天的・後天的要因のインタープレイについて紹介したい。

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外山先生による山本さんの紹介:「もっとも有能な弟子の一人である」というほめ言葉から始まりました.

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山本さんの自己紹介では3人の師「塚原仲晃,小幡邦彦,外山敬介」をあげてその3人の研究「sprouting,発生神経生物学,視覚皮質の可塑性」の流れをうけていまの研究をすすめていると紹介されました.ご自分としてはプロの研究の感動もさることながら,大学院時代にはじめてintracellular recordingに成功したアマチュアとしての感動が貴重な思い出だそうです.

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府立医大の外山研助手時代に確立した視床と視覚皮質をつなぐスライスカルチャー法を発展させて,発生と発達の研究を展開.軸索成長のgrowth inhibition, branch promoting, branch inhibition, の基本ファクターが大脳皮質の層ごとにどう分布するか,神経活動にどう影響を受けるか,を分析.

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外山「スライスが正常かどうかなんて,正常でないのは決まっているんだから」

用心深く話す山本さんですが,軸索のbranchingactivity dependenceについての研究をHebb ruleと関連づけて話そうとしたとたん,蜂の巣をつついたように攻撃を受けて,悲鳴を上げました.

山本「Hebbは忘れてください」

Branching というのは,単調に成長するものと思っていましたが,生えたり消えたりを繰り替えすというのは驚きでした.青柳組の理論ポスドクも熱心にメモをとっていました.

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コーヒーブレイクの雑談

金子「外山先生のテニスは手段を選ばないというので有名ですね」

外山「ルールは守っている!」