- 第37回 ---------------------------------------------------
演者:虫明 元氏(東北大学医学研究科)
題目:問題解決の視点からの前頭葉機能
概要:前頭葉は多数の領域に分かれており、随意的運動制御ならびに認知的行動制御の様々な側面に関わっている。問題解決の視点から、その過程をゴール設定、プラン、実行、評価に過程にわけて、その神経機構を経路探索課題実行中のサルより記録した細胞活動から前頭前野の働きを検討する。
日時:2008年11月25日(火)15:00−18:00
場所:京大医学部先端科学研究棟1階セミナー室
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前回の脳セミにて、紹介をはしょって田中真樹さんにショックを与えてしまった河野さん,今回は準備して紹介をされました.やるときは何事もまじめにやる河野さんです.
虫明さんの研究人生:東北大学医学部でホジキンハクスリー方程式とかパーセプトロンの情報処理に興味を持った虫明さんは「睡眠中の脳活動」の解析を行っていましたが,丹治先生の着任を機に「起きているときの脳活動の研究」に移行したそうです.運動に関わる因子の分析:MI, PM, SMAくらいしか知られていなかった時代からはじまり,丹治先生の指揮の下にpreSMAの発見をはじめ,詳しい機能がどんどん解明されていった歴史は迫力があります.
preSMAのニューロンには習慣性の運動から非習慣性の運動への切り替え時に反応.複雑な作業をする際に前頭前野で運動のカテゴリー化が行われていることの証拠が整然と示された研究には皆感心しました.セミナーはいつものように質問は絶えませんでしたが,大きくずっこけないですすみました.さすがです.
後半戦は行動選択スイッチにおける“synchrony”の話でしたが,こちらは議論に穴があってやや厳しい議論:
外山「出発点が曖昧だと,仮説に仮説を重ねる.実験ってのは間違っていてもやり直しがきくが,理論ってのは最初が間違っていたら最後まで(悪影響が)きいてくる.」
篠本「理論なんて何とでもできるから信用できない.理論なしでいえることが重要」
前頭葉といえば船橋さん,で船橋さんは当然の登場.Sさんはウェブには毎回登場していますが,本人は久しぶりの登場です.
集合写真にて,外山先生:「S(エス)さん,こちらに入って,入って」
Sさん:「外山先生,私の名前まさか忘れてるんじゃないでしょうね?」
外山:「...」
アフターセミナーではある理論家のことを「Aさん」と呼ぶことに決まりました.脳セミの「Sさん」に次ぐキャラクターの登場です.詳しくはゆくゆく紹介していくことにします.