脳のセミナー

- 第30回 ---------------------------------------------------

演者:神谷之康(ATR脳情報研究所)

演題:「神経復号化によるマインド・リーディング」

日時:2006年12月20日(水)14:40−18:00

場所:京都大学基礎物理学研究所<湯川記念館2F、小講義室212>

 

要旨:「心を読む機械」は古くからフィクションに登場しますが,その可能性が神経科学の議論の対象となったのは,ごく最近のことです.従来の神経科学では,刺激や課題を与えたときの脳活動を計測することで,脳が心の状態をどのように「符号化(コード)」しているかを研究してきました.しかし.脳から心を読むには,その逆の手続きである「復号化(デコード)」が必要となります.私のグループでは,現在,機械学習の手法を用いて,ヒトの非侵襲的脳活動信号から詳細な知覚,認知内容や運動パラメータを復号化するプロジェクトを進めています.本講演では,われわれの最近の成果を紹介しながら,神経復号化によるヒトの脳内情報表現の解明,ブレインーマシン・インターフェース(BMI)への応用,そして,BMIを用いた新たな神経科学研究のパラダイムの可能性ついて議論したいと思います.

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まだ若い神谷さんにも「私の研究人生」をお話し頂きました.体がでかいので外交官を志して東大文Iに入ったけれども,その後,哲学の数理論理学を選び、CalTech,ボストン大学,プリンストン大学,京都ATR,現在はfMRIを使うという大きな変遷を経てこられました.

 

外山先生による紹介「神谷さんは普通の人ならあきらめるところにチャレンジする.良い意味でねちっこい性格を持っている」

神谷「このセミナーは神経回路学会誌の対談に出てきた「濃い」メンバーのセミナーですよね.この写真を見て「The usual suspects」を思い浮かべました」

 

神谷「脳が大きいのは他の人の心を読むためにある」

金子「脳をその目的に使っていない奴がこのあたりにいるな,,」

篠本「・・・ぼくじゃないよ」

 

神谷「直感は推論にまさる」

外山「ぼくなんか買い物で悩んだこと無いね」

金子「究極の買い物は結婚ですね」

 

デコーダーによって顔認識が出来るようになったとすれば,出来るようになったのは脳のせいなのか,それともデコーダーのせいなのか,という本質的な問題で議論百出.

Sさんは重要な用務で欠席でしたが,アフターセミナーではやはり話題に上がってしまいます.これもSさんの人徳です.

外山「こないだの研究会(CREST国際シンポジウム)の発表でも,やっぱりSさんのスライドは1枚目だけがよかった」

 

アフターセミナーでは研究指導に関する議論にも盛り上がりました.

外山「つぶれる奴は勝手につぶれる.つぶれるかもしれないけど育てている.つぶれない奴はどこに行ったってつぶれない.」

皆「・・・」