--- サテライトセミナー --------------------------------------------------

京都大学物理教室の非線形セミナー主催で開かれるものです.

 

講師:  加藤英之(Center for Neural Science, New York University)

題目:  神経ノイズが普遍的に持つ負の自己相関成分の集団発火様式への影響を拡張したフォッカープランク方程式で解析する方法

日時:  222日(火) PM 3:00 (Tue. Feb. 22, 2005)

 

概要:  フィードフォワードネットワークに入力された非同期的発火パターンが,層が進むにつれ自発的に同期化する現象がモデルの詳細に依らずに観察されるが,この現象を解析的に理解する目的で従来のフォッカープランク方程式を適用しても,発火パターンの時間変化をうまく再現できない.白色ガウスノイズに基づく従来のフォッカープランク方程式が破綻する原因を詳しく調べてみると,神経が閾値素子であるという根源的性質に起因して神経ノイズが負の自己相関成分を持つ事が原因であることがわかる.そこで従来の方程式を負の自己相関が考慮されるように最小限に拡張すると,2+1次元のフォッカープランク方程式が得られる.この新しい方程式により,フィードフォワードネットワーク上での自己同期化は良く再現される.現在まで,従来のフォッカープランク方程式は,神経集団の発火の解析,単一神経のノイズを含む入力に対する応答の解析を目指した研究で繰り返し使われてきたが,神経細胞の根源的性質を考慮した新しい方程式によりそれらの結論がどのように影響を受けるか興味深い.さらに,所属の研究室で用いている,集団発火の伝播を調べるin vitroの実験系,を拡張し,現実的な神経投射様式,ダイナミカルシナプス,フィードバック結合,など,脳で一般的に見られる性質を付加する実験プロジェクト,それを解析する理論プロジェクトにも触れる.

 

場所:  京都大学北部構内 物理学教室4 439号室 (京都市左京区 百万遍 東入る北側) 

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フォッカープランク方程式の使い手の加藤さん,ニューヨークから一時帰国.Reyesの実験をフォッカープランクで再現しようという試み.少々トリッキーですが.

篠本はフォッカープランク方程式をみると,ほのぼのと郷愁を感じる.数学が趣味の医学部教授金子さんも参加.

 

なんと浜口さんがはるばる理研からセミナーを聞きに来ている.

篠本:「なぜ来たの?」

浜口:「理研でのセミナーは,英語で,数式がなかったので,,.」

篠本:「こちらのセミナーは,日本語で,数式があるから理解できるわけね,,.」