演者:      櫻井芳雄氏            京都大学大学院文学研究科心理学研究室

第2回も外山先生が参加でじつににぎやかなセミナーになりました.外山先生曰く「タイトルは羊頭狗肉だ.スライドは最初の二枚が良かったね」.研究がおもしろいときに辛口コメントが出るものなので,このコメントは一種の賛辞でしょう.実験パラダイムもその結果もおもしろい.「時間」はどこでどのようにコードされているのだろうか? 余韻の残るセミナーでした.

演題:      脳はどのように時間情報をコードしているのか?

抄録: 脳はどのように情報をコードし処理しているのか? この謎を解くことなしに,脳の,そして心の解明はあり得ない。最近の実験的事実や理論的考察から,協調的ニューロン集団つまりセル・アセンブリ(cell assembly)が,情報コーディングを広く担っていることは間違いない。しかし,どのような情報をどのようにコードしているのか,つまりそのコーディング方式のダイナミクスの実態は,まだまだ謎に満ちている。特に,主観的実在でありながら物理的対応が曖昧な「時間」のコーディング方式は,現在全く不明である。今回は,そのような時間情報のコーディングに関わるセル・アセンブリについて検討した2つの実験例を紹介する。1つ目は,刺激提示時間の弁別に関わるラット海馬体のマルチ(多数)ニューロン活動の解析である。2つ目は,刺激提示時間の短期的な保持に関わるサル前頭連合野のマルチニューロン活動の解析である。もし時間があれば,そのような神経科学実験のための技術と,普通の人が普通の部屋で実験するためのノウハウについても紹介する。

日時:      6月6日(水)午後2時40分より午後5時まで

場所:      京都大学基礎物理学研究所、新館2階会議室 K206

 

はじまりはじまり、、、

櫻井:つかれたあー

聴衆:おもしろかったー

外山:あーさっぱりした

(これは実際の会話ではありません)